第2章 / 第1節 細密に描かれた『ソラニン』

青春群像劇を書かせたら右に出るものはいないと言われる浅野いにお。その中でも最も有名となった、『ソラニン』は、10代から20代の若者に支持され、全2巻で累計80万部突破の大ヒットを記録し、完結から丸4年を経た、2010年4月3日に映画化された。映画も全国108館で公開され、公開から2日間の成績は動員6万4444人、興業収入9315万3190円。1館あたりのアベレージは86万2529円と週末の館アベレージでは公開作品中でトップを記録(※9)という好成績を残し、満を持して2010年9月3日に発売されたDVD、『ソラニン メモリアル・エディション』は9月3日付オリコンDVD映画週間ランキングで第1位となるほどの人気を博した。

 『ソラニン』は2005年-2006年『週刊ヤングサンデー』にて連載された、青春音楽物語である。主人公は、やりたいことがないと悩むOL生活2年目の井上芽衣子と、ミュージシャン志望のフリーター・種田成男。付き合って6年、同棲して1年を経た2人のゆるい日常は芽衣子の退職をきっかけに変化する。芽衣子の助言を受けて、種田は大学時代のバンド仲間である加藤賢一、ビリー(山田二郎)とバンド活動を本格的に再開。そんな2人のモラトリアムな日々は、種田の突然の事故死によって断絶する。種田の死を彼らがどう受け止めるのか。大切な人を失ってしまう喪失感を描きつつも、喪失から回復する過程をボリュームたっぷりに描写した作品である。

脚注

※9 興行成績速報! 初登場『ソラニン』が6位に登場!     http://cobs.jp/entertainment/movie_news/2010/04/6-4.html

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