第2章 / 第3節 浅野いにおの分身の登場

浅野いにお漫画には、浅野いにおの分身が登場することがある。それは、ビジュアルが似ている、性格が似ている、というものではなく、「漫画家」としての自分を投影した自分自身を描いている。そんな漫画家として登場する人物には、そのときの浅野いにおの考えていること、悩んでいることが直接的に反映されている。浅野いにお自身を漫画の中に登場させているということは、浅野いにおが生み出したほかのどの登場人物よりも、リアルな人物像であり、感情移入が生まれやすいことが考えられる。また、浅野いにおが自分自身をどのように描くかを知ることにより、自らが自覚する漫画家としての客観的な立ち位置が見えてくるだろう。それを知ることは、更なる共感を生み出すだろう。

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